日記代わりのメモ 〜5/26

この頃になるとやっと脳に関する本が読めるようになった。度の弱い市販の老眼鏡を使うと、長時間読んでいても頭痛が少なくてすむことに気がついてからは、写真の多い料理本や展覧会の図録、絵本から始めて、単行本、文庫本へとだんだん小さい活字も読むようにした。新聞だけは読みにくくて目が疲れるので読むのを止めた。脳に関する本にも色々あったが、興味があったのは、自分と同じように手術を体験した人がどのように感じていたか、普通の生活に戻るためにどのようなプロセスを経たか、生の言葉で知りたかった。最初に読んだのは『奇跡の脳〜脳科学者の脳が壊れたとき〜』ジル・ボルト・テイラー著(新潮文庫)で、共鳴するフレーズに出会うと付箋を貼り付けた。「脳の可塑性」を身をもって体験している、そんな実感があった。

5/25 曇り。気温は並み。湿度あり。昨日の怒り※aは「易怒(いど)」という精神反応なのかもしれない。たしかに術後は、嫌なことを「イヤだ」と言うのをためらわなくなった。人生の大半を我慢して過ごしてきたのに、どうしたことだ。11時に退院後の訪問リハビリの説明がある。保険が使えると料金が安くなるとのこと。朗報。来客2人。昼食後さらに1人。もう大変。午後のリハビリは居住空間の確認で自宅へ。友人たちが出入りしたので、机の上や床に荷物が山積み。あ〜。帰ったら片付けなきゃ。訪問リハビリはどれくらいの期間にしようか。療法士の人に聞いたら、見極めの成績は良好で、高次脳機能障害の可能性は低いとのこと。問題は運動能力かしら。

5/26 雨の音で目が覚める。ひんやり。窓を細く開けておく。それだけでも閉塞感がなくなる。同室のお年寄り二人は寒がったり、カーテンが風で揺れると言っては看護師さんを呼んで閉めてもらうのだ。私のベッドの脇にある窓だというのに。今日もまた病院の一日。9時半、リハビリ。バランス(ウレタンの上で爪先立ち)、階段、キック。明日は外歩きとのこと。着替えなきゃ。ソーシャルワーカーさんに介護ベッドのことを聞く。※b午後にはレンタル業者の人を連れてきてくれる。レンタルできるとのこと。退院当日に届くそうだ。退院が決まった頃から。段取りについて考えるようになった。頭の動きが戻ってきたような気がする。

補足
a:病院のまったりしたモードで暮らしているせいか、見舞客が運んでくる忙しい空気がとてもイヤだった。実際に「ちょっと落ち着いて。ゆっくりして」と言ったことも何度かある。ただそれは「苛立ち」であって「怒り」ではなかったのだが、この前日についに「帰って!」と叫ぶに至った。怒ってキレた状態になったのには、自分で驚いてしまった。高次脳機能障害の中に「性格が変わる」という項目があって、些細なことで怒ることを「易怒(いど)」と言うとあった。おお、「ひょっとしてコレか?」と不安になった。
b:めまいが続いていて平らなベッドに寝るのはためらわれた。介護ベッドのカタログなど見る気もなかったのに、退院目前になって切実な問題になった。病院のソーシャルワーカーさんのおかげでレンタルから搬入までの手続きがその日のうちに決まった。




by m-teshigoto | 2017-08-05 20:21 | 病院のベッドの上で | Comments(0)  

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