カテゴリ:父の周辺( 55 )

 

西瓜

冷やし中華でも食べようか…室温26℃、湿度70%の山の家。
天然冷房は夕方までお預けだし、自力で涼むしかない。

買い出しにスーパーまで出かけ、西瓜の前で足を止める。
8分の1だか6分の1で389円。
カップに入ったカット西瓜もある。

晩年の父は、夏になると「西瓜はもう出たか?」とよく聞いた。
自分で買物に行くんだから、聞く程のこともないのにと、
娘の返事は「出たんじゃない?」といたって素っ気ない。
「今度来る時買ってきてくれ」と言われて、
「ははぁ」とは思ったが、リクエストにお応えした。
入れ歯でかぶりつくのも厄介だろうと、わざわざカット西瓜にした。
サイコロ西瓜には驚いたらしいが「お前も一緒にどうだ」と珍しくすすめる。
「やっぱりね」だった。

年老いた父が娘と一緒に初物の西瓜を食べる…
父が思い描いていたのは、絵に描いたような平和な親子の交歓図。
あまりにわかりやすくて、娘は「ははぁ」と思い「やっぱりね」と得心した。

そこで「じゃぁ、一緒に食べよう」となればハッピーエンドなのだが…
「今は食べたくない」と娘はにべもない。

断ったのは、ふだんから時間外に物を食べないという理由によるのだが、
西瓜にかこつけて、親孝行の真似をすることにも抵抗があった。
いつもは気短な父が「そんなことを言わずに食べろ」と言わなかったのは、
本人にも大いに自覚があったのだろうと思う。

西瓜を見ると、そんなやり取りを思い出す。
一緒に西瓜を食べておけば良かった…と思っているかと言えば「ノー」である。
絵空事で父が喜ぶはずもないし、それに荷担したとなれば後味が悪い。


今日のところは梅雨明け前でもあることだからと、西瓜は買わずに帰った。

by m-teshigoto | 2014-07-17 16:46 | 父の周辺 | Comments(0)  

夢の跡

父の家のお向かいのご主人からメールが届いた。
「台風前に撮ったものですが、もう更地になってしまいました。寂しいものですね」
とあった。

笑い声もご飯の匂いもはるか遠く夢の跡。
「更地」という名前が似つかわしい空間に、もう心は動かない。

やがて新しい家が建ち、新しい家族がやってきて、新しい生活が始まる。
どんな家が建ち、どんな家族が暮らすのか、よほどその方が楽しみである。

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by m-teshigoto | 2013-10-18 13:58 | 父の周辺 | Comments(0)  

捨てられなくて

2人掛けのソファには継母、テレビから遠いアームチェには父。
テレビに近いアームチェアには私というのが、定位置だった。

といっても、夫婦が健在だった時には年に1、2回行けばいい方だったから、
(私の)アームチェアのアームは20年経った今もきれいなもの。

最後の最後に積み込もうと、荷物置き代わりに残しておいたのだが、
いつのまにか情が移ってしまい、どうしても捨てられなくなった。

友人が上手な椅子の張替屋さんを知っているというので、
思い切って張り替えて、「自分用」のアームチェアを持つことにした。

「しばらくお時間いただきます」というのをいいことに、どこに置くかは考え中。

山の家では遠すぎる、東京の部屋は狭すぎる…。
この椅子の似合う部屋が欲しいな。
この歳にしてはじめて「住」への関心が高まる今日この頃。

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by m-teshigoto | 2013-09-12 18:24 | 父の周辺 | Comments(0)  

最終日

便利屋さんとのゴミ出しも今日が最終日。
冷蔵庫、帽子掛け、水瓶(それも3つ)、壊れた椅子、縁台etc.
小物は、台所のスポンジとか、洗い桶とか、石鹸置きとか。
人が暮らすと言うことは、物に囲まれて生きるということだと、あらためて思う。

何もなくなった部屋はがらんとして、そこに人が居たことなどなかったように無機質。
残ったのは、カーテンとカレンダーだけ。
2010年2月。その時はまだ、父がいたのだ。

物置にはリュックが一つ。
フィリピンで終戦を迎え、抑留2年を経て帰国した父の背に揺れたリュック。
手縫いの針目が、その難儀な旅をうかがわせる。
築45年の家と一緒に、リュックも消える。

人は去り、物は滅していくけれど、せめて記憶には留めよう。
それだとて、あと何年かのことだけれど。

by m-teshigoto | 2013-09-08 21:35 | 父の周辺 | Comments(0)  

測ってみましたPart5

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by m-teshigoto | 2013-09-06 06:54 | 父の周辺 | Comments(0)  

測ってみましたPart4

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by m-teshigoto | 2013-09-05 08:11 | 父の周辺 | Comments(0)  

測ってみましたPart3

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by m-teshigoto | 2013-09-04 10:12 | 父の周辺 | Comments(0)  

測ってみましたPart2

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by m-teshigoto | 2013-09-03 09:05 | 父の周辺 | Comments(0)  

測ってみました

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どうしていいのかわからないものは、専門家に聞くことにしている。
大きさと重さを測って、メールで問い合わする簡便さに助けられている。

「な〜に、よくある砂漠の薔薇ですよ」
がっかりするほど素っ気のない返事だろうと、コメントをもらえると有り難い。

それでも「数千円にしかなりませんから、お玄関にでも飾ってはいかがですか」
とまで言われると「余計なお世話だ」と中っ腹になってしまう。

欲しがる人もなく、自分でも保存しきれない場合、
同好の士がいそうな物であれば、捨てるよりは流通に乗せたいと思うのだ。
父がはるばる運んだラワンの大板(80×280×65mm)4枚も、
無償で材木屋さんが引き取ってくれた。

さすがに庭に鎮座する夫婦の三波石については、大きすぎて手に余る。
これだけが心残り。

by m-teshigoto | 2013-09-01 18:59 | 父の周辺 | Comments(0)  

どこまでも不思議博物館

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これまた不思議なコレクション。
ミニチュアの香水瓶。
ちゃんと入っていたらしい使用感あり。

by m-teshigoto | 2013-08-31 00:29 | 父の周辺 | Comments(0)