カテゴリ:暮らし( 622 )

 

山の家で台風を待つ

やっと、ようやく、なんとか、どうにか…

10か月ぶりに山の家に来た。
嬉しい。

新宿から高速バスに乗り約2時間。
術後では最長の移動距離、移動時間である。
「大丈夫?」と案じ顔の友人が、新宿三丁目駅からバスタまで道案内してくれた。
Thank you!

山に着いてからはタクシー利用。
途中のコンビニ、スーパーに寄ってもらって食糧を仕入れる。
家までのタクシー代1500円余。
女性のドライバーだったせいか「待ってて」と言いやすかったのでお得感があった。

冬から春、そして夏を越した家の中は「掃除の巣」と化していた。
虫の亡骸とホコリ、そしてカビ。

まず水道をと水道栓を開けたらなんと水の出が悪い! え~えっ!
大慌てで知り合いに電話して来てもらった。
さいわい事なきを得たものの、座り込みたいほどがっくり。

それでも「思ったより元気そうじゃないですか」の言葉を励みに、
キッチン、洗面台、お風呂、トイレをなんとか使える程度にきれいにしたのだった。
長距離の移動より何より、この到着後の掃除が大変だった。

翌日はキッチンの流し回り。
鍋を全部洗い、拭いた後は床に広げた新聞紙の上で一晩乾燥。
収納部分には掃除機をかけ、雑巾掛けをした後空拭き。
不要な物は捨てると決めたら、すっきりスカスカになった。

キッチンの次は2階。
伯母や伯父、そして父の家をたたんだ時に運んだ品物を処分する準備をする。
自分がどうなるかわからないのに、人の物を預かっているどころではない…
なんとなく気持ちが急いている感じなのだ。

職場にも挨拶に行こうと思いつつ、家の掃除に明け暮れている。
とってもよく働いているような調子で書いてはいるが、実際のところは
術後の頭は整理整頓が苦手で、どうしようかと途方に暮れている時間の方が長い。

それでもやるのだ。

窓の外の木々に目を休めながら、山の家での20年の歳月を振り返る。
台風も来るというし、退屈はしなさそうである。







by m-teshigoto | 2017-10-21 21:42 | 暮らし | Comments(0)  

帽子の生活

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頭の保護のために帽子をかぶっている。
出かける時はもちろん、家にいる時も寝る時もだ。
なんかの拍子で「ゴン!」となったらちょっと困る。

これまで頭をぶつけたのは、ベッドの手すり、階段下、物干し…この程度なら大丈夫。
そうそう、電車に乗っていて、隣の人が離したつり革が「ゴン!」と当たったこともあった。
大した頭ではないが、大事にするに越したことはない。

ファッションではないので、なるべく目立たない形の帽子をかぶる。
抗がん剤治療や手術などによって必要が生じた人のために医療用帽子というジャンルもちゃんとある。
傷が痛むこともあるので縫い目のないニットが使いやすい。
できればシルクや綿、麻などの天然素材。かぶり心地がいい。
珍しいところでは竹布の帽子を持っている。
お見舞いに頂いたものだが、やわらかくて保温力もあり、それでいて蒸れないので寝る時に愛用している。

退院して4ヵ月ずっと帽子のお世話になった。
とはいえ「帽子の人」として認知されるのもなんだかなぁ〜である。


by m-teshigoto | 2017-10-09 18:27 | 暮らし | Comments(0)  

手帖の余白

来年の手帖をどうしようか…
空白の多い今年の手帖を前にすると、もう使わなくてもいいかもと思う。
4月、5月は書き込みなし。
6月になってやっと毎週木曜日に「訪問リハビリ」の書き込み。
脳外科や歯医者の予約も一つ二つ。
8月には十数年ぶりの知り合いの来訪があった。
それでも空白が多い。
訪問リハが終わった9月からはついに血圧の記録欄と化した。
いっそのこと体重も書き込んで健康手帳にしてしまおうか。

書き込みが少ないのは、何事も体力との相談なので予定が立たないこともある。
起きた時の感じで「行けそう」と思ったら出かける算段をする。
右側の余白に、できたら行きたい場所を書いておく。
たとえばヘアサロン、銀行、買物…

なかなか実現できないこともある。
「山の家へ行く」は8月以来の懸案事項。
早く余白から解放したいのだが…

by m-teshigoto | 2017-09-28 21:21 | 暮らし | Comments(0)  

卒業!? はぁ〜

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9月に入って、退院後2回目の脳外科の外来があった。
3回目の予約はなし。
「何かあったらいつでも連絡してください」という言葉とともに送り出された。
はぁ〜。

複視や耳鳴り、胸バクはあっても、脳外科としての治療は完了ということらしい。
はぁ〜。

入院中に世話になった友人に「卒業」というタイトルでメールをしたら
「おめでとう!お祝いしようね」との返信。
はぁ〜。

医者にとっては一つの症例であり、予後が順調な事例として「済み」。
それはそうだが私の頭は私にとって唯一無二。
そこに起こった出来事とその後遺症はこれから一生ついて回る。
回復することはあっても元通りにはならないし、全治はしないのだ。

外来の翌日、複視について眼科の診察が必要かどうか、脳外科へ電話して尋ねた。
「眼科へ行ってもねぇ、とくに治療はしないと思う」とのこと。
それはそうだが、どの程度回復したかを前のデータと比べることはできる。
だいぶ視力が落ちているので、そのへんも聞いてみたい。
気を取り直して眼科に予約を入れてみようと思っている。

ふと不安になる。
コレって依存なの!?






by m-teshigoto | 2017-09-17 22:24 | 暮らし | Comments(0)  

髪を切る

術前ににバリカンで髪を刈られてから今日で4ヵ月。
ベリーショートからは脱したもののまだ短くて、宝塚の男役には及ばない。

ほぼ一日中ワッチを被っているので、強情極まりない針金のような髪の毛もやさしく頭皮にまとわりついている。再建した頭蓋骨の形も良く、ヘアスタイルとしては上々。とてもベースを刈ったのが脳外科医だとは思えない。更に言うと「メスを入れる時は分け目に見えるように切った」とのこと。何を言うかと思ったらヘアスタイルのことなので、脳外科の先生って面白いと思った。それは余裕のなせる業なのか、患者さんとの話題作りなのか。でも、なかなかのセンスだったと今になって感心している。

その分け目もすっかり隠れているが、傷そのものはまだ「ここだよ」「かゆいよ」「いたいよ」と自己主張する。天気がいいと突っ張り返り、メッシュの部分は一回り小さくなる。さすがに凹まないけど。ま、湿度計のようなものだと思って観察している。

髪の毛の話にもどると、長さはいいのだが密生しているので暑くなってきた。
なんとかしてほしくて付き合いの長いヘアサロンへ行く。
「長さはこのままで、嵩を減らしてあげるね」
サクサク鋏が動いてたちまち頭が軽くなる。あ〜、さっぱり。

退院した時も5日目に行って、パチン、パチンと軽く鋏を入れてもらったのだ。
サムソンは髪を切ると力を失うけれど、私は元気になる。
傷のある頭を、何事もないよう鋏がにチョンチョンと行き来する。
それは“もう大丈夫だよ”という励ましのリズム。
ここ数日の胸バクがス〜ッと消えた。

by m-teshigoto | 2017-07-25 18:28 | 暮らし | Comments(0)  

右を下にして寝る

なんと寝苦しいこと。
この二晩ほど夜中に目が覚めてしまい、暑さに根負けしてエアコンのお世話になった。

その時気がついた。
右側を下にして寝ている…

転倒して左の後頭部を強打。
その衝撃で右前頭葉に損傷が生じて開頭手術。
術後2週間は、右を向いて寝る(=頭の右側を下にする)のは禁止だった。
夜中に看護師さん数人がやってきて「ダメですよ!」と言うから何事かと思ったら、知らない間に寝返りを打って右を下にしたらしく、それをセンサーが感知して看護師さんの出動となったらしい。
次の日からは「右頭部注意」が頭のイラスト入りで貼り出されてしまった。
たしかに、まだ頭蓋骨を外した状態だったから無防備。
1.5kg近くある頭を支えるには強度が足りない。

チタンのメッシュを使って再建手術をした後も、「ぶつけてお弁当の角みたいに凹んだ人がいる」などという話をまことしやかにする人がいて、傷が痛かったこともあって右側は向けず。痛みが消えてからも、仰向けか左下。ベッドの柵にぶつけることを考えて、保護のために帽子も被っている。

それが、気がついたら右下で寝ていたという訳。
まさか歪まないだろうと思いながらも、そうっと掌で触ってみたりしている。
ヘディングなんかより、自分の頭の重さに注意かも。。。
症状の説明より具体的な取説がほしいな。
ビス4本で留まっているだけなのだと思うと、やたらリアルな問題なのだ。





by m-teshigoto | 2017-07-17 23:33 | 暮らし | Comments(0)  

頭の熱伝導率

熱帯夜が一晩か二晩あっただけで東京は地面から熱くなる。

午前中、郵便局までお金を払い込みに出かけた。
お日様サンサン。
帽子を通して頭が熱い。
角を一つ曲がり、緑道沿いに大通りへ出て…ほんの数分の距離なのにもう胸バク。
おっ、息をしなきゃ。
大きく息を吐いて〜、大きく吸って〜〜〜

最近になって気がついたこと。
何かに集中したり、気を取られると、息をするのを忘れる癖があるらしい。
根を詰めて作業をしている時もそう。
その挙げ句の酸欠で気が遠くなるのではないかというのが、私なりの仮説。
暑さに気を取られて呼吸が疎かになってまた転倒…では笑えない。

という訳で深呼吸。
それも、いきなり吸うのはかえって危険。
最初に息を吐いてから吸うという呼吸の基本通りにやらないと、胸バクが加速する。
ネットで「深呼吸すると胸が苦しくなる」と入れて検索したら心臓病という結果が出たのには驚いたけれど、要は、息を吸うと肺が膨らんで心臓を圧迫して苦しくなるという構造上の問題もあるらしい。ならば先に息を吐いて空きを作ればいいんじゃないか。そう納得して「吐いて〜吸って〜」をやっている。
これには、自律神経が自律してないことも手伝っているのだが、まぁやってみましょ。

大通りの信号待ちで一休み。
郵便局では、財布をごそごそ探すフリをしてちょっと座る。ふ〜
一息ついて帰り道。
道を横断する時には立ち止まって右左。
向かいから人が来たら、同じく立ち止まってやり過ごす。
な〜に、休み休み歩いていれば、胸バクも頭クラ〜リも未然に防げるという自衛策。

おととい歩いた同じ道がえらく遠かった。
大気も熱く、昼近くの太陽は帽子を通して頭に直射の勢い。
血の巡りは悪くなったけど、熱伝導率は向上!? あ〜ぁ。





by m-teshigoto | 2017-07-13 23:16 | 暮らし | Comments(0)  

黒糖LOVE^−^

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最近のマイブーム(そろそろ死語?)は「黒糖ミント」。
入院の差し入れでいただいて以来のファン。
といっても退院してからネットで探し、ようやくお取り寄せができた。

某航空会社の機内サービスで認知度を高めたとのこと。
沖縄物産展で買うこともできるらしいが、出歩けないので通販。
一袋150gm300円は安いでしょう? 数えてみたら31個ありました。
それを3袋。そして送料は756円。
2袋だとメール便で200円そこそこなのだけれど、不思議なことに「品切れ」!?
3袋送れるのなら2袋ありそうだと思うのだ…

小さくて、口溶けが良く、かすかなミント風味のさっぱりした甘さ。
「琉球黒糖」「しょうが黒糖」「塩黒糖」などもあり。
でも、最初に食べた「ミント黒糖」が一番だと思う。

病院で夕食を終え、期待せずに口にしたら…あらっ美味じゃない!
たちまち2つをぺろり。
残り3つを眺めつつ、なんとか同じものをまた食べたいと思案。
この時は分別が働いて、普通の「黒糖」を買ってきてもらって代替とした。
これもまた美味しかった。

そして2ヵ月。
送料にたじろいだものの、もう分別はうっちゃって取り寄せた「ミント黒糖」。
やっぱり美味でした。
ご飯の後の一粒が毎日のお楽しみ。

言い訳に聞こえそうなのを承知で言うのだが、
脳の回復にはいつもより多めの糖分が必要なのかもしれない。
病院で食べた最初の1つは、体に染みるように美味しかった。
今は、その甘さにふっと体が緩む感じがする。








by m-teshigoto | 2017-07-09 18:27 | 暮らし | Comments(0)  

6月の終わりに

今年は桜が見られなかった。
東京で桜の開花がニュースになった直後に入院。
転院を挟んで約2ヵ月を病院のベッド上で過ごした。

退院して1ヵ月が経ち、今はようやく普通の生活に戻りつつあるところだ。

とはいえ、救急搬送、手術、リハビリ…と初体験尽くしの後だけに、
「普通の生活」すら一大事と化している。

ここいらで忘我の境地から立ち直らないと、2017年が白紙になってしまいそう。

さいわい走り書きのメモが残っている。
気を取り直して、3月からの日々を振り返ることにしよう。
セミドキュメントといった感じになるといいけれど。


by m-teshigoto | 2017-06-28 20:05 | 暮らし | Comments(0)  

もう1回

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本屋さんの片隅で見つけて以来、定期購読していた『アルネ』。
大橋歩さん編集のリトルプレスで、2009年に30号をもって終了となった。
自身の撮影、取材による記事には、大橋さんならではのこだわりがあって、
好き嫌いはともかく読み物として面白かった。

定期購読をすると送られてきたアルネカレンダーは、いつのまにか
東京の家の定番カレンダーとなり、暮れが近づくと通販で買うのが恒例となった。
今年も12月を前にカレンダーを注文。
ついでに出版物の一覧を見ると『アルネもう1回』があった。
へ〜、9月に出ていたなんて知らなかった。

届きたてのほやほやを眺めて、古い友達に会ったように嬉しい。
2009年から7年経って「もう1回」という思い切りの悪さ。
いかにも物づくりの人らしいな。
出会ったこと、感じたことを伝えるチャンネルとしての『アルネ』。
手塩にかけて作り上げた媒体を惜しむ気持ちもあるだろう。

30冊の『アルネ』は勤めている図書館に寄贈した。
『もう1回』も…と思っていたら、新着コーナーに並んでいた。ほ〜。
それでは、これは大事に手元に置くことにしよう。

人生には「もう1回」と思うことが確かにある。
私自身も7年のブランクを越えて原稿書きを始めた。
そんな時にこの1冊を手にしたのも、何かの縁。
気力と体力をかき集めても追いつかないのだけれど、励まされた気になって
どこまで出来るかやってみようと思っている。ふ〜





by m-teshigoto | 2016-11-28 19:53 | 暮らし | Comments(0)